〔政権批判?〕実録、福祉職場コロナ対応たらい回し

 本日は、濃厚接触者がPCR検査を受けられなくなった事についての不具合です。

 先日、施設の職員の家族にコロナ陽性者が発生しました。職員にコロナ症状はありませんでしたがすぐに隔離生活に入りました。濃厚接触1日目ですが、職員は前日に利用者様と接触していたので、不安になり検査を実施するとの話しになりました。施設に抗原検査キットはあるものの、PCR検査の方がより精度が高いですし、PCRが良いだろうという話しになりました。施設としても、接触初期のコロナ感染は偽陰性がでることがあることは承知していましたが、万が一、陽性がでれば利用者様の安全を守る為に、警戒レベルを一気に引き上げることができますので、了承しました。施設ではPCR検査はできないので、近隣の親交が深い中核病院に連絡したところ、濃厚接触者の無症状者にPCR検査はしないことにしたと説明されました。*注1(この先何度も同じ説明をすることになるので今後注1と表記します)【虚弱な老人がや基礎疾患を沢山持っている人が24時間集団生活をしている職場の職員であり、万が一コロナ陽性がでた場合はすぐに警戒レベルを引き上げる必要がある旨と、職員本人も検査を希望している】旨を伝えましたが断られてしまいました。非常に強い連携をとれていた病院でした。昨年12月までは快く検査をしてくださっていたのに、福祉施設であっても検査しないと言われて肩をおとしました。次に保健所に連絡しましたが、土曜日でしたので音声案内が流れて、住んでいる市の合同庁舎にある感染症問い合わせ窓口の電話番号を知りました。合同庁舎にある感染症問い合わせ窓口にかけましたが、コールはかかるものの誰もでられませんでした。諦めずに、県が委託を出している無料PCR検査場に連絡をしました。無料PCR検査場でも濃厚接触者には検査しないと取り付く島もなく断られました。替わりにコロナコールセンターの連絡先を教えていただき、連絡をしました。コールセンターの職員に*注1の内容を伝えました。コールセンター職員は県と厚生労働省の通知で、濃厚接触者かつ無症状者にはPCR検査をしない方針になったと説明されました。虚弱で基礎疾患がある方が集団生活を送っている場所で働いている職員も、一般社会の人たちと同じ考えなのかと問うと「そうです」と返答がかえってきました。全国的にそうなりましたので、とにべもない答えでした。いくらハイリスクな職場でも、ローリスクの職場と同じ扱いをすると言われてしまいました。医療がひっ迫するからとのことでした。管轄元を問い合わせ、政策説明をお願いしたいと申し出ましたら、保健所から連絡させると言われました。疑問に思ったのは、一般市民が不安で無料検査ができる現実があるにも関わらず、すぐさま命の危険が伴うハイリスクな人たちが集まる場所への検査へは医療ひっ迫を理由に全くリソースをさいていないとう点です。一般市民とハイリスク現場では母数がまったく違うので、少数母数のコロナハイリスク現場は、認知度が上がった医療ひっ迫を理由に一気に切り捨てに入られたのかもしれないと疑念が生じました。

 まもなくすると、電話がつながらなかった保健所から電話がかかってきました。担当者は、「政策で全国一律そうなりました。ルールに従って下さい」と一辺倒高圧的な口調、曖昧かつ内容の無い説明を繰り返されました。*注1の説明をし、なぜそうなったのかまったく具体的な理由は説明はなく、まったく理解できず、理解できたことと言えば、「黙っていろ」と圧力を感じたくらいのところでした。しかし、*注2【施設に一旦コロナが入ると、コロナによる体調不良や出社職員がいなくなり、生活基盤の崩壊を引き起こす】可能性が高いことが分かっていましたので、具体的な理由の説明を追求しました。保健所の担当者がかわり、落ち着いた雰囲気の年配の声の方がでてきました。*注1と*注2の説明を繰り返す頃、窓口さえなく完全にたらい回しに合っていると疲れを感じ始めていました。既に何回同じ説明を繰り返しただろうと思いました。これが個人的理由であれば「もういいや」と諦めていたと思います。それでも、自分の後ろには、小母数の弱者と生活を守る人がいたので話しを届けようと気持ちを入れ替えることができました。頭の中で、菅政権の時のコロナ対応はもう少し親身になってくれていたが、岸田政権になってから対応しないというスタンスになったのだなとか、自分でも根拠がよく分からない政権批判が頭の中を繰り返し流れながら説明をしていました。自分のなかで、すでに制度の狭間におちいった弱者の声を上げる必要があり、のりかかった船を岸に到着させなければという使命感が生まれ始めていました。私からの事情説明が終わった頃、2人目の保健所担当者は、県の担当者に折り返させますと言われて電話を一旦終了しました。もうたらい回しに合い同じ話しを繰り返すのかという思いはありませんでした。ようやく窓口らしい窓口に辿り着いたと思いました。最初に職員の家族が陽性者になったと相談を受けてから長い旅をしてきたように感じました。同じ話を繰り返し話しては、他の窓口に回され続けハッキリと疲労を感じていました。それでも次の担当者もほとんど初めて話しを聞くような状態でしょうから、気持ちを入れなおしました。県の感染症対策室の担当者から電話がかかってきました。*注1と注2の話しをしました。担当者から、医療ひっ迫が原因でそうなりました。と回答がありました。不安な市民への無料PCR検査場のほんの一部分で良いから、母数が少ないハイリスク現場へ回して欲しい、ハイリスクな弱者と付随する人たちへの検査まで画一的に廃止したことが理解できないと伝えました。次の担当者の説明で、私は心中穏やかな状態ではなくなります。担当者「無料PCR検査場は予算が組んであって、その予算枠の中で、企業が入札をかけます。手を挙げた企業があったから無料PCR検査場ができました。ハイリスクの方たちにそういった企業はありません」私はすぐさま「理解納得できない。あなたの説明ではまるでハイリスクの方に手を差し伸べようとしたが、それに応じた企業がなかったかのように仰った。だが、前段の説明で全国画一的に濃厚接触無症状の方へ対する検査は実施していないとお伺いした。つまり、予算を組み入札業者を公募したが、全国で一事業者も公募に応じなかったということになる。統計的に考えてありえることではないと思うし、仮に入札0が起こりえたとしてもそれは計画見積もりの甘さが原因だ。あなたは今手を差し伸べるべきだという見解を示したことを忘れてはいけない」ようやくたどり着いた先で、問題の本質をかえりみないごまかしの回答がかえってきたので、大人げなく完全論破モードになってしまいました。すると担当者は「保険所長がPCR検査をしても良いと判断すれば、PCR検査を受ける事ができます。あくまで担当保険所判断です」と話しをすり替えてきた上に、保健所責任に責任回避・転嫁・差し戻ししようとしてきたので「つまりハイリスクな弱者につらなる人への検査の機会を保健所が奪ったと言い換えることができます。あなたが仰っていることはこういうことですがよろしいですか」内心この人たちの次の人と話しても無駄だなと思いました。末端に意見のプレッシャーをかけて、弱者が制度に取り残されないよう一助にする方が得策だとその時思いました。この先、どこまでいってもごまかしと責任転嫁で部署たらい回しを続けなければならならなくなりそうです。そもそも対応する窓口や責任者にたどり着けたとしても同じ事だろうと不信感がうまれるごまかしの対応でした。

 少なくとも、一年前の菅政権時代の余波が残っている時代は、どの担当者も真摯に話しを聞いてもらえました。話すことで、自分も問題解決の取り組みに向け無価値な存在ではないと思える対応でした。たった、一年でこうも対応が硬直化するのは、行政や保健所のコロナ疲れなのか。保健所業務や行政に世論が同情をよせた反動なのか。現政権の行政運営能力の低さなのか。それらすべてか。私たちは命が目の前にある現場です。疲れたから仕事を縮小するという事ができません。ただし、いかに母数が少ない集団であろうと、命を背負っている以上、弱者にしわ寄せをおしつける画一的な政策を認めるわけにはいかないと感じました。今も施設の中でクラスターがおこり、withコロナ・医療ひっ迫の名の元に、制度の狭間で福祉現場の安全がまったく確保されていません。福祉業界に転身しようとする読者様、コロナ禍になって福祉職場にこようとするのであれば、この管轄下のもと利用者様を守らなければならい事を留意して下さい。しわ寄せは目に見えにくい形で、現実的な問題として現場の前に横たわったいます。家族を施設に預けていらっしゃる方、大切な家族はコロナに対して非常にハイリスクであるにも関わらず、杜撰な対応にさられています。転入職員やご家族様に助けを求めるつもりはございませんが、ご覚悟を。政権や行政には、ハイリスクな方への政策や対応を是正してほしいと願います。