老人ホーム選び ~職員の表情や声~

 今回も老人ホームを見学する時のポイントについて書いていきます。今回は、職員の表情や声を観察するです。

 

 職員は、見学者が来訪た時にどういう挨拶や対応をするか教育されていて当然です。職場でなくても、大人としてお客様が来た時にどういった対応をとるのかわかっていると思います。

接遇はできていて当然なのですが、たまにそれができていない老人ホームがあることも確かです。

そういったところは、もちろん、入居すべきではないです。挨拶がない、笑顔がない施設は内部でなんらかの異常を抱えている可能性大です。

職員教育ができない運営体制なのは確定です。それ以上に、職員同士の不和や指示系統の乱れ、ブレーキをかける職制職員の不在や実力不足など様々な理由が考えられます。

できていて当然のことが出来ていないのには、その時点の施設には大きな問題が潜んでいて当然ということです。

 見学者に対して、挨拶や笑顔の対応ができているのは前提ということで観察ポイントをお伝えします。

ずばり、挨拶を終えた後の職員の表情や入居者に対する声掛けに着目して下さい。

 

表情から読み取るのは、一生懸命がでている対応をとっているかです。ここで出会う職員はたまたまその日に出勤だった職員です。

ですので、全員が同じ対応をとっている訳ではないことは承知して下さい。ただし、貴重なランダムサンプルのひとつとして情報取得する価値はあります。

入居者様に個性が様々なように、職員の個性も様々です。また、仕事中ずっと笑顔でいることも困難なことです。

笑顔で対応する事は良い事ですが、仕事中ずっと笑顔を求めるのは少し求め過ぎというものです。

職員も感情があるのですから、こころの内には喜怒哀楽があります。その中で、どうやって入居者様に対応するのか集中していることが肝心です。

ですので、一生懸命入居者様に対応しているかを観察しましょう。だらけていないか、職員同士の雑談に没頭し入居者様が置き去りになっているシーンはないか。身なりに気を使っているか。

見学者によく見てもらう為に教育された行動が終わった後の、何気ないシーンを観察できると良いですね。

 

次に声掛けに着目しましょう。声掛けは馴れ馴れしい口調を使っていないか。厳しい口調になっていないか。

声掛けは、介護の基本であり最終奥義のひとつになりえる非常に大切な要素です。声のかけたかひとつで入居者様がこころを開いたり閉ざしたり。

入居者様に対する声の掛け方は、日々の積み重ねがあらわれます。

長期入居をしていると、親しみを感じ存在が近くなることがあります。

そんな時に、馴れ馴れしい言葉が定着してしまいます。最初は親しみを感じてよいと思う方も、近すぎるが故に嫌だなと思う瞬間があります。

特に、職員は全員を支える為に業務全体を上手に回す必要があり、馴れ馴れしい言葉を使い続けていることが、馴れ馴れしい指示に変わってしまう例も多々あります。

介護職員の基本的スタンスは、専門職としての関りですから、専門的な援助者として一線を引いて支援するのが介護の基本中の基本です。

その最たるものが心地よい言葉での声掛けです。入居者様に家族のように思って欲しいといっても、本物の家族になることはできないですし、常に専門的な支援者としての心構えも持ち続けなければなりません。

馴れ馴れしい言葉は、気づかない内にぞんざいな対応や一線を超えた態度に繋がりやすく、不快を不快と伝えることが困難な状況になりやすいのが入居様です。

だから、見学の時に、何気ない職員の姿を見る事ができたらラッキーだと思いましょう。

身は体をあらわす。ぞんざいな言葉遣いの方は、人との関わりもぞんざいな関わりになる。 仕事を一生懸命やっている人は、顔つきがシャキッとしてくる。

何気ない職員の姿からこれを観察しましょう。

 

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