老人ホーム選び ~ 老人保健施設④ ~

老人保健施設に入所する為の事前知識

~ ローテーション ~

 

前回は、夏季・冬季に向けて老人保健施設に入所するパッケージを作り、入所促進につなげていることを説明させていただきました。

 

theiaearth.hatenablog.com

 

この他にも、すべての老人保健施設が行っている訳ではないですが、老人保健施設の在宅復帰率を上げる為に有効な方法をとっている場合も多くあります。

 

 

ローテーション(回転)

 

施設の中には、法律上在宅(自宅)扱いになっている施設があります。

老人保健施設は、在宅扱いになっている施設に退所になれば、在宅復帰扱いになります。

在宅復帰すると老人保健施設の在宅復帰率が上がり介護保険もらえる介護報酬が少なからず上がります。

例えば、サービス付き高齢者向け住宅・住宅型有料老人ホーム・グループホームなどは老人保健施設を退所後に入居(入所)すると在宅復帰扱いになります。

入所者様の家(本当の自宅)に復帰するのと、サービス付き高齢者向け住宅などに入居するのと、老人保健施設からすると在宅復帰率に変わりがありません。

老人保健施設は3ヶ月~1年程度で退所するのが当たり前の、性質上入退所が激しい施設ですので、在宅とカウントされる施設も空き部屋ができると、老人保健施設に入居したい人はいないか営業(新規入居をお願いする企業努力)に行きます。

老人保健施設にとってもっとも大きなメリットがある入所者の動きは、退所後3ヶ月入居施設に居てもらい。また、老人保健施設に帰ってきてもらうことです。

一度退所になったのに、3ヶ月以内に老人保健施設に戻ってくると、介護報酬上のメリットは消えます。

老人保健施設の立場としては、最低3ヶ月は再入所を控えてほしい制度になっています。

老人保健施設の介護報酬上の立場としては、最低3ヶ月は入所していて欲しい。退所後3ヶ月は再入所を控えてほしいです。

3ヶ月の入所期間と退所後3ヶ月の待機期間をとれることが老人保健施設の経営にとってもっとも効率的で介護報酬上のメリットが高いと言えます。

 

在宅復帰にカウントされる施設に3ヶ月入所と退所後3ヶ月の待機期間、これを組み合わせたシステムがローテーション(回転)です。

まずは老人保健施設側のメリットの視点で説明致します。

在宅復帰にカウントされる施設と約束を交わし、お互いにベッドをローテーション(回転)用に確保します。

分かりやすいように、お互いの施設(老人保健施設と在宅復帰とカウントされる施設)に1つずつローテーション用ベッドに確保したとします。

老人保健施設から退所した方(Aさんとします)は、在宅復帰とカウントされる施設に入居します。3ヶ月在宅復帰とカウントされる施設で生活した後、老人保健施設へ戻ります。

Aさんが老人保健施設へ戻る時と同じころ、もう一人の方(Bさんとします)が同じ在宅復帰施設へ入居します。

Bさんが老人保健施設に帰る3ヶ月が過ぎたころ、Aさんは老人保健施設で3ヶ月経っていますので、Bさんがいる先程の在宅復帰とカウントされる施設へ入所します。

この繰り返しをグルグルと老人保健施設と在宅復帰にカウントされる施設で入居者様を回します。

これを図解したとき、施設と施設をグルグルと人が回っているように感じられるので回転と呼ばれたりします。

あくまでも分かりやすく1人を例にして簡略化して説明いたしました。

この仕組みは、老人保健施設側だけでなく入居者様(利用者様)・家族様・在宅復帰にカウントされる施設にもメリットがある仕組みです。

このあたりの詳細は、追って寄稿します。

今回は、ローテーション(回転)の大まかな仕組み(イメージ)をご紹介いたしました。また、老人保健施設側からの説明も致しました。

 

次回もローテーション(回転)の老人保健施設側からの視点で仕組みの理解を深めます。