老人ホーム選び ~ 特別養護老人ホーム① ~
特別養護老人ホームの特徴は概ね以下の通りです。
・要介護3以上の方が入所できる
・看取りを行っている施設が多い
・入院時の退所要件に注意
・費用負担が安い
また、特養養護老人ホームは昔から存在し、制度との間で問題点も抱えています。そちらについても説明を致します。※個人の経験に基づく私見です。私見であることを踏まえつつ参考にして下さい。
特徴
・要介護3以上の方が入所できる
特別養護老人ホームは主に要介護3以上の方が入所できる施設です。
要介護2以下の方が入所することはほとんどありません。特例入所という方法で要介護2以下の方が入所することもありますが、あまりないことですので説明を割愛します。
入所申し込みは要介護2以下の介護認定でも可能です。
要介護3以上の介護度がでたらすぐに入所できるかというと、ほとんどの特別養護老人ホームが入所待機者がいますので、すぐに入所することが難しいことが多いです。
ほとんどの場合一定の期間入所待ちがあり、順番がきたら声がかかり入所になります。
つい最近まで入所待ち期間1年~3年という長い期間待たなければならない話しはザラにありました。
最近の傾向としては、少し緩和され、入所待機期間が長いかどうかは地域差があるという感覚になってきています。
地方になればなるほど、以前より入所待機期間が緩和されつつある傾向が強いと思います。
2025年に団塊の世代が本格的に後期高齢者になり、高齢者の人数がピークに達するまでに、日本中の施設の数を増やしてきました。
2025年問題と言われる高齢社会問題なのです。全国すべての世代別人口を平均した時に2025年に高齢者人口のピークがくるという話しです。
若者が多い都市部であれば2025年より何年も後に高齢人口のピークがきます。元々高齢者が多い地方では、何年も前に高齢者人口のピークは過ぎ去っています。
ピークアウトした地方では、これから人口減少問題が顕著に残っていきます。
団塊の世代ジュニアが後期高齢者になる2040年問題は、施設自体は立て終わっているので、働く人がいないという問題のウェートが大きくなります。
高齢者人口がピークアウトした地方にとっては、段々と「部屋はあるが、働く人が少なくて入所しにくい」という問題に移り変わってきています。
では、人がいない中、特別養護老人ホームはどうやって入所者を増やすか。これが徐々に地方で顕在化している問題です。介護者減の問題に対する特別養護老人ホームがだした答えは簡単です。介護量が少ない人を優先的に入所させて、介護量や問題行動が多い手間がかかると思われる入所希望者は入所しにくくします。
また、問題行動がある入所者は、問題行動又は集団生活に不適応をおこす認知症周辺症状に対応する職員数がいなければ、精神薬による対応が増加します(フィジカルロック(身体的な物理拘束)による抑制は倫理上論外として想定しません)。
厳密にいうと精神薬の過剰投与はドラッグロックという身体拘束にあたるのですが、過剰投与かどうかは、介護する人の人数によるという解釈です。
本当の自宅で生活している人は施設生活に慣れていないので、既に施設入所していて施設慣れしてる人の方が介護量が少ない傾向が高いです。入所時に集団生活ルールに適応していく必要がある方は、入所時の介護量が多くなりやすいので入所判定で入所OKの声がかかりにくいです。
反対に、施設で入所している高齢者の方が、集団生活慣れしている可能性が高く、施設慣れして手間が少ない傾向が強いので入所の声がかかりやすくなるでしょう。
既に地方ではこの傾向が出始めているのですが、問題視して声を発する人が少ないのが現状です。
大きな問題なのですが、問題点については特別養護老人ホームの別トピックスで説明致します。
地方では、特別養護老人ホームに入所するハードルが徐々に下がってきています。
都市部では相変わらず中々入所できません。都市部での入所状況についても、地域にある施設数と高齢者人口の需要と供給のバランス問題ですので、施設数が多い都市部については、入所しやすい地域も存在します。
ここでいう施設数とは、特別養護老人ホームだけではなく、老人保健施設やサービス付き高齢者向け住宅・養護老人ホームなどすべての老人施設を合わせた地域全体の部屋数のことを指してもちいています。
そういった都市部に住んでいるのでば、特別養護老人ホームへの入所待ち期間も比較的緩やかです。