一目でわかる!老人施設 ~清潔の章~

 

高齢者が玄関を入るイラスト画像

施設の玄関を入ればわかること

 

 今回も、連続シリーズ老人ホーム探し方(老人ホーム選び)について書かせていただきます。

最初にインターネットでの施設探しの方法を記載させていただきました。次に、見学をする前の予備知識。前回は、見学に訪れた施設の玄関の重要事項説明書と契約書の張り出しについて書かせて頂きました。

今回は、清潔についてです。シリーズ全て、単体としても読めるように構成しております。

今回初めて ~清潔感~ から読み始めたという方でも完結した読み物になる形で書いておりますので、初めて見たという方でも読み進めます。

前作も通して見ていただけると、読み物としてより理解を深めることができますので、お時間ございましたらシリーズを通して目を通していただけると喜びます。

 

 清潔感についての項目は非常に重要で

す。ひとくちに清潔感といっても見るべきポイントが多すぎると思います。

施設入居(入所)すると、自分自身の身体を思うように動かすことができない事態(加齢・怪我・病気など様々な原因がある)に陥ることがあります。

それは、人生の四苦である生・老・病・死のうち、【老・病・死】が集約しておとずれやすい時期に入る居場所だからです。

免れることができない事態が次々におとずれたとき、安心して自分(家族)の身体やこころを任せることができるのかを判断する為のポイントがあります。

清潔が重要なのは、病は予防したり治ったりすることがある点で、他の(生・老・死)とは回避できる可能性が高い点であり、病の予防・治癒という観点で清潔が決定的に重要な役割を果たしているからです。

その中で、ここを見れば施設の清潔に対する意識がわかるという点は何点か存在します。

施設の清潔の取り組みについて本当に知りたいのは、入浴・おむつ交換・口腔ケアなどの介護技術であり、排泄物や嘔吐物・血液などの掃除の仕方であり、物品の管理の仕方など様々な清潔に対する業務の流れや職員ひとりひとりの所作です。

専門科が、パット交換の場面や汚物室・リネン庫(清潔な寝具や衣類・道具が保管される場所)を見ればある程度良し悪しを即判断できるのですが、このような場面・場所を見学で見るのは難しいのです。

見学は、居室や浴室・ホール(リビング)といった共有スペースを案内されるとうのが一般的なルートです。

汚物処理方法や介護技術を見学時に見せてくれる施設は、あまり聞いたことがありません。

特に、利用者様のプライバシーに深く関わる可能性があり、個別性が高い介護技術について見る事は困難でしょう。

本当に見たい場面や場所を見る事は困難なのですが、それでも大丈夫です。見学に行ったからこそ見てとれることがありますのでお伝えします。

 

 施設見学に行った時、全体的な清潔感の印象も大切なのですが、ここは見落としてほしくないというポイントを絞り込んでお伝えします。

清潔感のは施設を入っただけで判断できるポイントがあります。

玄関に入った時に砂利や小石がザリザリと足の裏から感じ取れないか確認することです。

前回の重要事項説明書と同じく、玄関入ったらわかるシリーズです。

一般的に福祉施設バリアフリー設計の設計がなされています(稀にコンセプトでバリアが残っていたりもしますが)。

外と施設内の物理的な敷居がほとんどないので、小石や砂が建物内に入りやすい構造です。

細目に掃除しないと玄関と地続きの一階はすぐに床がザリザリと小石や砂だらけになります。

このチェックが非常に重要です。床に砂や小石が感じられる施設は即アウトと判断しても良いくらいです。

なぜなら、施設は身体が弱い高齢者が集団生活を送る場所だからです。健康な人ならば被害を受けないような衛生状態でも、虚弱な人が感染し、体調悪化につながることがよく起こります。

まともな施設であれば、施設の衛生状態には並々

ならぬ努力を払います。空気中でさえ常在菌がおり、虚弱な人が常在菌に感染して健康を害する事もあります。

施設の現場では、排泄物を片付けたり嘔吐物を片付けたりすることが想定されます。清潔に処理できなければ、すぐに菌が繁殖して病気や感染症が起こります。

玄関のザリザリと関係がわからない方もいらっしゃるかもしれませんが、これは施設の衛生観念や教育、人員欠如の問題が紐ついていることが多いのです。

玄関周辺(地続きの1階)に対する衛星の配慮が行き届いていない施設は、衛生観念が低い可能性が非常に高まります。

業務として掃除が確立されていないのか、職員に対する衛生教育ができていないのか、そもそも人員がいなくて手がまわらないのか。

兎にも角にも、衛生状況が良好でないことは一目瞭然です。その衛生観念で運営している施設は、入居(入所)後、適切で清潔な介護は期待できないでしょう。

当然行うべき掃除に対して、玄関や外と地続きの場所さえ綺麗に保てていない施設は論外といえるでしょう。

施設とは、清潔の為に努力し、清潔の為に職員が働く側面が非常に強い場所だという観点で見学しましょう。

 次回も清潔に関連する項目を解説するとともに、清潔に関連深い整理整頓の見学時に観察すべきポイントをお伝えします。まさかの長編にお付き合いありがとうございます。次回もよろしくお願い致します。