老人ホーム選び ~ 老人保健施設⑱ ~

老人保健施設

~病院併設の老人保健施設と単独の老人保健施設⑤~

 

今回は、単独型の老人保健施設の特徴になりやすいサービスである医療について書いて行きます。

入所定員100人未満の老人保健施設の場合、最低でも看護師が10人前後在籍しています。

看護師が10人前後いなければならないという入所者対看護師の人数比の人員配置基準は、老人施設の中では最も高い基準です。

更に医師・看護師を増員すると介護医療院や介護療養型老人保健施設という医療に特化した施設形態をとることも可能になるのですが、そこまでの人員配置基準のレベルを想定して書いて行きますと、老人保健施設の説明から脱線してしまいますので、今回は控えます。

老人保健施設を運営する限り、基本的に医師1人以上、看護師10人前後という基準を下回ることはできません。かなり手厚い医療が期待できるでしょう。

 

ここまでは、大まかに100人未満の老人保健施設には10人前後と看護師が必要と書いてきました。

この部分をもっと掘り下げて掘り下げて書いていきます。

正確に書くと入所者3名に対し、看護師か介護士1人以上必要です。入所者100人で考えると小数点を切り上げして看護師・介護士が全員で34人必要ということになります。

更に、最低限の34人で職員全員とし場合、看護師がその中で占める割合が最低限7分の2必要です。具体的な人数は9人です。

入所者が100人いた場合の内訳です。分かりやすく入所者様人数の対比を書くと、入所者50人だった場合は、半分の介護士13人・看護師5人です。

この人数でもかなり看護師が多いです。看護師5人必要となった場合、離職リスクを考えると最低限6~8人は看護師が在籍していないと安全に運営できません。

 

もう一点、看護師の特徴としては、基本的に老人保健施設の専従職員であることという規定がある事です。他の事業所との兼務は基本的に認められません。その上、常勤(週40時間労働→事業所独自のルールで常勤と定める時間数を上下できます)であることとされています。

1週間老人保健施設の看護師としてきっちり働く人として看護師を確保する必要があります(付則事項を使えばこの人員配置ルールを若干緩和することは可能です)。

これだけの医療の手厚さは、他の老人施設ではありえません。

他施設形態で10人看護師がいますといっても、それはただその時の事業所方針や成り行き上そうなっただけであって、未来に渡って確約するものではありません。

ところが、老人保健施設は法律の基準上10人前後の看護師が必要と定められているので、未来に渡ってこの人数比を確保し続ける義務が発生します。

人員基準を満たさなければ事業所にペナルティが発生します。これが人員基準に定められているかいないかの大きな差です。

 

老人保健施設は、看護師が非常に手厚い状況を続ける義務があることが売りポイントです。

老人保健施設でずっと働いていると、この状況が当たり前になり特徴であることを内部では忘れてしまいがちです。

もちろん、病院併設型の老人保健施設も同様の特徴を持っているのですが、病院併設型老人保健施設は、病院からの入所希望者である程度安定するのでこういった事を営業しなくても良い施設がほとんどです。

単独型の老人保健施設は、医師・看護師の人員基準があり、実際に他施設より手厚い24時間の医療が見込めることは事実です。