老人ホーム選び ~ 老人保健施設⑰ ~

老人保健施設

~病院併設の老人保健施設と単独の老人保健施設④~

 

単独で老人保健施設を立てた場合、リハビリは施設の特徴として位置づけやすいサービスになります。

老人保健施設においてリハビリがとても親和性の高いサービスに位置づけられる理由は、①医師の存在 ②入所希望者にリハビリニーズを持っている人が集まりやすい業態であることが理由に挙げられます。

 

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本日は、老人保健施設のリハビリにおいて医師がいるとなぜ親和性が向上するのか寄稿致します。

 

 

老人保健施設は、在宅復帰の為の中間施設として位置づけられています。入所期間も概ね3ヶ月~12ヶ月未満で退所になる方がほとんどです。

老人保健施設で提供する主なサービスは、ケア・医療・リハビリです。老人保健施設で退所まで過ごしたとしても、在宅でサービスが必要になる場合が多いです。

在宅に帰った時にどのようなサービスが必要になるかはそれぞれの利用者様次第になりますが、老人保健施設からの退所者は、在宅でもリハビリを継続したいと望まれる方が一定数以上いらっしゃます。

なぜかというと、老人保健施設でリハビリが必要だと擦りこまれるからです。リハビリに特化した老人保健施設で過ごした方であればあるほど、その後のリハビリ継続の意欲は高まる傾向が強いと感じます。

実際、リハビリをしていた方が、リハビリをしないよりもより高い状態で在宅生活を送れる可能性が高まりますし良い事だと感じます。

 

老人保健施設は、在宅復帰後のリハビリを見越して訪問リハビリテーションや通所リハビリテーションを併設させることが多いです。

むしろ、訪問リハビリテーションや通所リハビリテーション老人保健施設のパッケージとしての色濃い意味合いで行政が位置づけたといっても過言ではありません。

なぜなら、両リハビリテーション事業所の人員基準に医師をが必要だからです。

医師が人員基準に必要な老人施設は、介護医療院と(介護療養型)老人保健施設だけです。介護医療院は、2018年に始まったばかりで、しかも前提として主に老人保健施設が転換を求められた施設です。介護医療院は老人施設というよりも、元から医療の側面が強い医療施設として捉えられることもあります。

実質、施設系で医師の人員配置基準がある老人施設は、老人保健施設だけといえます。

一方で、在宅で訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションは医師の人員基準があります。

つまり、最初の制度設計の時点で老人保健施設は訪問・通所リハビリテーションも併設してください、併設しやすいですよと設計されているのです。後は診療所や町のクリニックが併設する程度でしょうか。

医師がいないと開設できない老人保健施設・訪問リハビリテーション・通所リハビリテーションは、老人保健施設を設立したらリハビリテーションをパッケージに組み入れやすいようになっています。

そして、訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションリハビリテーション計画書を作成する時は、医師の意見書が必要になります。

老人保健施設の医師でなくとも意見書を書けるのですが、自施設に医師がいて高位の役職者である場合、リハビリテーション計画書を通して医師は職員を指導・マネジメントしやすいです。

利用者様にとっても、老人保健施設と在宅リハビリテーションを一貫して行ってもらえるのであれば、安心・安全度が高いと感じるでしょう。

 

医師が運営していると看護師をマネジメントしやすい上に、リハビリ職もマネジメントしやすい。医師が人員基準に含まれる老人保健施設は、利用者様にとってとても安全な可能性が高い施設といえるでしょう。

筆者としても、初めて施設に入所するのであれば老人保健施設はおすすめです。

ただし、すべての老人保健施設が高いコンプライアンスをもっていることを保証するわけではないのであしからず。