老人ホーム選び ~ 入居後不適応を起こしそうな場合③ ~

 新しく始める老人ホームの生活における不適応が予測される場合、老人ホームを探す家族(身元引受人)が本人の状況を知ることが大切です。

今回も入居後環境不適応を起こす可能性が高い場合にどうして老人ホームを探すかを寄稿します。

 

 あまりお勧めできない方法を最初に書きます。情報を伏せて入居を推進する方法です。

状況を説明する時に、言葉を選びながら伝えて入居(入所)を勧めるということはOKです。ですが、情報そのものを伝えずに入居(入所)するとどのような事態になるでしょうか。

施設の対応によってさまざまな想定ができるのですが、最悪の場合、強制的な退居(退所)も起こりえます。

施設の許容可能な介護量を超えてしまい、家族(身元引受人)も対処に消極的な場合(家族は退所が困難だと確信しながら預けるわけですから)、施設では介護することができないという通達(退居要請)に発展する事もあります。

本人様に対しては最終的な責任をとらなければならない因果関係があるのは、家族(身元引受人)ですので、施設の限界を超えて退居を要請されどこにも行き場所がなくなった時、家族が否応なしに同居で面倒をみなければならない場合もありえます。

同居が困難だと知っているからこそ施設に預けることにしたはずなのに、どうしても、突如それが発生して家族関係が壊れることもあり得るでしょう。

情報を伏せて入居(入所)させて上手くいけば施設に慣れる。施設も引き受けた以上早々に退居にする可能性は低いと踏んで何も告げずに入居(入所)させると、目算が外れた時のリスクは極めて高いと言わざるを得ません。

ですので、事前に情報は必ず提供しましょう。事前に情報を提供していれば、それを承知で施設は事案を受けたことになります。施設としての当然の責任の範囲は大きくなります。

伝え方は工夫しましょう。自分なりに伝えるということを考え、助けを求める方法で話しにいくのか、柔らかな表現で伝えるのか、その部分はよく熟慮し入居(入所)担当者と相談しましょう。

表現の方法は様々ですが、必ず情報を伝えるということを実施していきます。

 

 情報を伝えていなければ、退居(退所)における結果リスクが非常に増大するので、事前に伝えるために前項で説明させていただきました情報収集が重要になってくるのです。

事前情報収集の重要性は、入居(入所)後のリスクに大きく関わってきます。ただただ、目先の入居(入所)を目的とするのであれば、情報をあえて伏せるということも起こりえることは理解できます。

ですが、その後の施設で起こる惨状や、それによって引き起こされる家族崩壊のリスクの大きさを思いを察することができるのであれば、情報をできるだけ把握する努力をし、入所担当者への伝え方を工夫します

 

 次回はこのような困難事例の場合、家族はどういう事を施設に対して了承すれば入所(入所)が近くなるのかをお伝えします。

この状況になっている場合、すでに理想的な綺麗事が必要ではなく、実践的にどうするかということをお伝えしたいと思います。