老人ホーム選び ~ 入居後不適応を起こしそうな場合④ ~

 施設入居(入所)にあたり、入居後の不適応が予測される場合、どうやって入居をするめるか第4弾を書いていきます。

前回の流れは、入居(入所)を考えている本人の情報収集行う入居(入所)施設に情報を伏せるのはハイリスクをはらみ自分にとっても危険ということをお伝えさせていただきました。

今回は、実際に入居(入所)に近づけるにはどのようにしたらよいかについて寄稿します。

 

 人に危害を加えたり、大声が続いたり何らかの集団生活に不適応を起こす入居者(入所者)様は、どのような経緯の施設生活になりやすいか説明させていただきます。

集団生活に不適応を起こし、他者に危害を加える原因となっているものが疾患によるものなのか、固有の性格によるものなのか詳しい個別状況によって、施設状況も加味され対応は変わるのですが、概ね処方による解決と対人援助技術による解決が用いられることが多いです。

ここでは、処方による解決にフォーカスします。何故なら、対人援助技術による解決は本人様の状況と施設の職員・環境・教育による解決側面の色合いが強すぎ、もともと説明することすら困難な事だからです。

一方で、処方による解決策は、一定の効果が望めます。本人様にとってどの程度の強さのお薬を服薬していただければ、どう心身状況が変化したか分かりやすいからです。

その意味で、お薬の効果は絶大です。ですから、医師は服薬量の調整ということにすごく気を使います。

薬が多すぎると弊害がでることもあるからです。例えば、こころが落ち着くお薬の量が多すぎると、動作が緩慢になって転ぶ可能性が高まることもあります。また、ボーっとしたり眠たくなって食事や水分を飲む量が少なくなることもあります。

入居者様がどの程度の不安定な状況なのか、それが施設にとってどの程度許容可能なのかは、入居者様と施設の環境次第であり、そこにない人が見透かしたように解決案を提示できないことです。

 

 家族にとって入居を希望するに至り必要な心構えは、施設での本質的な状況は分からない。

ということを認識し理解する必要があります。

この状況を天秤にかけ端的に説明するのであれば

 

⚖ 片方の天秤には不適応があり自分達家族ではとても面倒がみきれない。

⚖ もう片方の天秤には、施設入居後と本人の状況は本質的にはわからない。

 

そして、施設が退居勧告をした場合は困る。という現実を理解しなければなりません。

もちろん、だから言われるがままに何でもいいなりにならなければならない訳ではありません。

家族として大切にしていることは、伝えて良いです。

・今回の内容の核心部分は、お薬(精神薬)の量調整は基本的に施設に任せる方針を示した方が、入居(入所)しやすい。という事です。

・一方で、入居者様のことを思うのであれば、入居者様の幸せを本当に願っているし、その為の尽力をできる限り行う。なので、施設で安心して長らく暮らしてほしいというのが家族の願いである。

これを両方伝えておくことは入居(入所)にとってもプラスですし、入居後の生活にとってもプラスに働きます。

 

 次回は、家族がお薬の調整についてどのような未来を覚悟として持っておくかを寄稿

致します。宜しくお願い致します。