老人ホーム選び ~ 入居後不適応を起こしそうな場合⑤ ~

 施設入居(入所)にあたり、入居後の不適応が予測される場合、どうやって入居をするめるか第4弾を書いていきます。

前回の以下の3つに注意を払いながら施設探しをすることを説明させていただきました。

入居(入所)を考えている本人の情報収集行う

入居(入所)施設に情報を伏せるのはハイリスクをはらみ自分にとっても危険

お薬(精神薬)の量調整は基本的に施設に任せる方針を示す

本人様の情報収集を行い、取得した入居に不都合な情報を入居希望先の施設に伏せて入居する事は避けましょう。

ただし、情報の伝え方は工夫をした方が良いです。薬が必要な場合の量調整は、基本的に医師と施設の相談に任せる方針を伝えましょう。

これでぐっと入居(入所)しやすい状況になります。そして、入居後不適応を起こしそうな入居希望を決定的にしやすくなる方法があります。

 

 看取りに理解を示す

 

入居の時点で看取りに理解を示すのが、人によってはいかに重たい内容か理解をしています。

それでも尚、看取りに対して理解を示すことの重要性を説明いたします。

職員を脅かしたり、他入居者を脅かす行動があった場合施設職員が陥りやすい行動はどういう対応か3点挙げます。

 

1.とにかく頑張る

なんとか落ち着いていただこうとできるだけ寄り添う。

この対応をとる職員が多い介護現場は、職員が限界を超えて疲弊しようが何とかケアを行おうととします。

しかし、根本は環境不適応への疾患対応ですから、頑張れば解決できるという保証などひとつもありません。

それぞれが身体をはって頑張っても、結果は空しく職員が受傷したり、職員によっては限界を超え過ぎて、最初は突発的に虐待を行ってしまう人もでてかねません。

誤解ないように職員の虐待について説明しておきます。介護量が限界を超えての職員による虐待で最も多いタイプは、真面目で誠実な志を持った人が行ってしまうパターンです。

なぜ、真面目で誠実な人が虐待をしてしまうのかというと、限界を超えて追い詰められても逃げることが出来ないからです。

入居者様の為にという義務感と倫理観の狭間で苦しみ、突発的に感情が爆発し行為に及んでしまう悲しいパターンです。

その状態が何度か繰り返されると、虐待に対する罪悪感が薄らぎ慣れてしまいます。

元々は、入居者様の為にという真面目で誠実な介護者に、限界を超えるようなことを続けさせてはならないのです。

 

2.放置傾向になる

放っておくです。

このパターンの行動をとる施設職員が多数いる施設に入居した場合、本当に運がありません。

そもそも、介護のプロフェッショナルとしての使命感やスキル・知識に欠けた施設に入居してしまっています。

最初に看取りへの理解を示していなくとも、早晩そのような方向性に向かうでしょう。

ただし、この放っておくという行動すら抑止できる可能性があるのが、入居前に看取りに対して理解を示しておくことなのです。

放っておくのは、限界を超えていると見越している場合があるからです。施設側に限界を超える前にお薬で調整してほしいと伝える事を行っておけば、施設側は安心して介護に迎えます。

いざという時は、お薬という切り札が残っていると知っているからです。

 

3.退居

退居勧告です。退居勧告は施設側の介護量のキャパシティが超えてしまった場合におこります。

これを超えさせないようにするのが情報提供であり、薬の許容であり、看取りへの理解を示すことです。

 

詳しくは明日に引き続き内容を書いていきます。