老人ホーム選び ~ 入居後不適応を起こしそうな場合⑥ ~

 施設入居(入所)にあたり、入居後の不適応が予測される場合、どうやって入居をするめるか本日も寄稿致します。

前回の以下の3つに注意を払いながら施設探しをすることを説明させていただきました。

入居(入所)を考えている本人の情報収集行う

入居(入所)施設に情報を伏せるのはハイリスクをはらみ自分にとっても危険

お薬(精神薬)の量調整は基本的に施設に任せる方針を示す

そして、必要な情報を伏せられて入居された場合、その後どうなる可能性が高いか3点上げさせていただきました。

ここから看取りに理解を示すと施設内の何が変わるのか書いていきます。

 

 集団生活に不適応な行動が起き、職員のケアで行動緩和できる範囲を超えているとお薬(精神薬)の調整を入れます。

職員のケアとお薬(精神薬)の両輪で不穏行動を穏やかにできるように調節していきます。

しかし、問題になる行動が強すぎると、対人援助技術では通用しないシーンも発生します。

例えば、介助者に噛みつき介助者の肉を嚙みちぎろうとしたり、指で目つぶしをしたり、少し極端な例かもしれませんが、精神症状や認知症の変化によっておこることもあります。

症状が強すぎる場合、ケアをいくら頑張っても改善が困難な場合があります。

お薬により、どこまで行動が緩和するかチャレンジする必要がある状況が発生します。

こういったお薬の量調整は、施設介護の中では日常的に行われています。ただし、ご家族様が反対していると行うことはできません。

施設や職員を追い詰めない為にもお薬の使用は、基本的に施設に任せた方が無難です。

お薬(精神薬)の使用しても改善がない場合、量を増やしていくことになります。ここから先が、リスクとして看取りを考えなければならないことがおきるシーンです。

 

 精神薬を飲むと穏やかな気持ちになったり、活動的な気持ちになったり、気持ちの面で受ける恩恵があります。

集団に不適応を起こしているアクティブな状況の場合、穏やかな気持ちになるお薬を調節する可能性の方が高いです。

穏やかな薬は、安らぎを得られるとともに、副作用として動作が緩慢になったり、眠くなったりすることがあります。

動作が緩慢になる場合は、歩きぶりが悪化し転倒につながりやすくなることがあります。

転倒して打ち所が悪ければ、骨折することもあります。

眠くなる場合、食事や水分の飲み込み状況が悪化する場合もあります。眠くなり喉に食事が詰まってしまったり、水分が肺の方に入ってしまったりといったリスクも高まります。

必ずそのような悪い事が起こるわけではないのですが、穏やかになる薬を飲むという事は、そういったリスクも発生しうるということを知っておく必要があります。

穏やかさとリスクと天秤にかけ量調整をしていくわけですが、いきなりぴったりの量が見つかるとは限りません。

本人様の症状を見つつ、医師と相談して量を調節していきます。その量調節の基準となるのは、本人様のご状況と施設での許容可能な介護の範囲です。

これも中々外から判断する事は難しい問題です。本人の状況は、施設から報告連絡を受けるとしても、基本的には話しをよく聞く選択をとった方が良いでしょう。

施設と家族は互いにキャパシティを超える要求を発しないように、情報を共有し歩調を合わせるようにする必要があります。

状況をよく聞き相手の限界が来ないように話しをすすめます。リスクを知り選択肢を行っていけるとよいです。

 

 集団に対する不適応に対して、薬の量調整が上手くいかなかった時が問題です。この時どうするか、明日に引き続き書いて行きます。