老人ホーム選び  ~ 医療行為 看護師① ~

 施設選びにおいて医療行為が必要な場合、看護師の常駐・訪問看護との連携など、看護師が活躍するシーンが必要になることが多いです。

今回は、医療行為がある場合、施設における看護師の役割や連携・どうやって選ぶかを書いていきます。

 

看護師との連携

 医療行為がある場合、施設に看護師がいるいないということにおいてどう考えれば良いかというと、看護師の常駐が施設医療にとって絶対に必要かどうかから論じたいと思います。

結論から申し上げますと、絶対必置というわけではないと申し上げます。

ただし、必要とする医療行為の専門科経験をもっている看護師がいると安心度が高まるといえます。

医師もですが、看護師にもいろいろな質があります。看護師の質を見抜くために、看護師のキャリア説明からしていきます。

 

看護師業界の暗黙のキャリアルール

施設に求職活動をする看護師の傾向を書かせていただきます。

結論からいうと、一線級の医療現場から少しゆっくりした場所を求めて施設を求職活動をされる方が多いです。

看護師の世界には、暗黙の了解のようなキャリアルートがあります。

看護学校を卒業したら、大病院に努めて医療手技(技術)を習熟することが正しいと教えられます。

それは、新卒の場合、最低1年以上できれば3年間は同じ大病院で勤めるというルールです。

このルートを外れると使えない看護師のレッテルを貼られる業界ルールです。

1年以内に最初の大病院を離職した場合、順応性・習熟度・組織論耐性が低いなどと見られ、毎年毎年新卒看護師が入ってくる大病院から嫌煙されます。

新卒からこのルートを外れた人が全て看護業界で使えない人かというとそういう訳ではないのですが、間違いなく履歴書は大きく傷つきます。実感としては、このルートを外れる人はどこか難がある感じの方が多いように思います。

1年~3年は我慢すべきだという理由もきちんとあります。

看護学校では、理論は習いますが実践はしないからです。一例をだすと、注射の取扱い説明書を見るが、実際に人間に注射を打つことは許されないのです。

大まかにいって、看護学校で習う事で一番重要なのは、医師・上司の言う事は絶対である。このルールを骨の髄まで浸透させることができるかということではないかと思います。

勿論、理論を学習し一定以上の成績を収めなければならない訳ですが、その教育の随所に、患者の命を守る為には医師や上司の言うことは絶対守らなければいけません、という擦りこみが繰り返し入っていると思います。

自分自身の思考は停止させず、一方で、医師・上司の言う事は従わなければならないという感覚が、無意識の内にパッシブ発動できる状態になった方が適正面の優秀を得やすいと感じます。

これはこれで必要なことです。医療手技は、看護師免許を取得してからでないと行ってはならないという法律。

この法律は、患者の安全性を高める為のものでもあり、医療組織をより安定化させるための法律でもあると思います。

ただし、そこから逸脱する看護学生・新卒看護職員がいない訳でもないのですが、大抵知らないところで外堀を埋められるように退職勧奨にかかります。

一言でゆうと、1年未満で退職すると医療業界的に暗黙で不適応の烙印を押されるわけです。

1年未満といえば、部署によっては注射ができない、バルーン交換ができないなど専門性の入り口にも立たせてもらえることができない状況です。

個人的には、1年未満でやめる看護師が全員問題ありとは思いませんし、逆に職場や配属された部署に問題がある場合も多々あると思います。

しかし、技術レベルが低いことに変わりはありません。

このルートを外れた人はどこに行こうとするかというと、福祉施設に行こうとする方が一定数います。

 

 福祉系の就職先は、全体職員数に対して看護師の割合が少ないです。病院にいれば多くの看護師に囲まれる中のひとりの看護師という立ち位置ですが、福祉にくるとかなり高いレアリティがある人になるのです。

施設によっては看護師の必置基準があり、何人の利用者様に対して何人の看護師が必要という基準が設けられていることもあります。

看護師資格を持っているというだけで喉から手がでるほど欲しいと思っている施設も沢山あります。

その上、若くて未来がある準新卒です。需要がある福祉系の企業は沢山あります。

本人も大病院で受けた烙印を癒すかのごとき人気ぶりに驚くことでしょう。

 

 かくして、福祉職場の職員になった看護師はどうでしょう。

看護師としての基礎スキルが育ちきっていない状況で看護師として活躍することになるのです。

それはそれで施設業務ができないことはないのですが、利用者様の安全度という面でみると一線級の医療現場の専門科でやっている看護職員と同じに考えてはいけないです。

ただ、パンフレットやデータの上では看護師の人数は1人は1人として表記されます。早々にドロップアウトを余儀なくされた看護師も一線級の現場で戦った看護師も変わりがありません。

外から見たら、何の違いもわからないことなのです。

 

 個人的には、若くして最初から福祉系を志す看護職員は稀ですし、相当他と違う考え方だと思います。

大病院最低1年働こう暗黙ルールは、大抵あっている事の方が多い実感ですが、1年を過ぎると少しだけ違うと思います。

入居希望の場合は、看護師の医療現場の経験年数を聞くと良いでしょう。