老人ホーム選び ~ 医療行為 看護師③ ~

 福祉業界に求職する看護師は、セカンドキャリアとして求職してくることがほとんどです。

医療や福祉に強い志をもっているというより、忙しい仕事に一息つきたくて休息場所を求めている人が多いと感じます。

ただ、福祉業界とて本気で仕事にと入り組んでいるので、休息といった感覚でできるほど簡単ではないです。

施設では少人数の看護師として、医療独占の権限が与えられるケースがほとんどです。

 

 施設に医療依存度がある入居(入所)様を長期的に受け入れる時に、同時に看護師の長期的な就業を考えます。

万が一、医療依存がある入居(入所)者様がいらっしゃるときに、看護師が離職すると命や責任問題に関わる事態です。

そうならない為に、医療依存がある方を受け入れるという事は、対応する医療を継続的に続ける義務が発生するということです。

つまり、施設で看護師を雇って対応させた場合、途切れないように雇用し続けなければなりません。

介護保険制度での施設運営は、基本的に薄利ですので看護師を大量に雇うことは困難です。

少人数の看護師に責任を持って、医療を提供し続けるということと、会社秩序を維持することが求められます。

医療の業務独占する看護師が、会社秩序と反する行為を行った時どうなるでしょうか。

上手く注意でことが済めばよいですが、離職されると即施設の医療体制が崩壊し、医療依存がある方命の危険に晒されます。

施設も看護師もそれを理解して関係が成り立ちます。ですので、短期的な安定を求めて看護師側の意見を通し、施設秩序を曲げてしまうことはよく見受けられられます。

極論ですが、施設方針と看護師の意見が対立した時、看護師に軍配が上がることがよくあります。

この現象は、小規模な施設である程起こりやすいです。大規模な施設であれば、他部署との人事交換ができるのでこのような単純な構図を回避しやすいです。

 

 セカンドキャリアでゆっくりを目指した看護師は、いつのまにか自分の権限の大きさと思い通りにいくという感覚、万能感に近いものを感じ、ゆっくりを目指した人とは変人が変わったようになります。

一度味わった万能感を失うことが嫌になり、更に施設秩序と対立するスパイラルが発生します。

このスパイラルが発生すると、運営側も長期的になんとかしようと考えます。人員のすげ替えを考え、看護師が安定しない原因となります。

 

 施設医療の安定は、手技以外の占める部分が多いです。

単なる医療提供だけではなく。業務独占かつ少人数での継続性と施設秩序を維持・発展し続けないければならないからです。

もちろん、すべて今回示した例のような事象が常に起こっている訳ではありません。ただし、よくあることです。

施設運営者として回避する方法はありますが、風土として安定させるためには並々ならぬ努力が必要です。

施設医療の安定性は、医療依存の入居(入所)者を受け入れる為に重要だといえるでしょう。