老人ホーム選び ~ 医療行為 看護師④ ~

 福祉医療を安定させるための組織作りは、並々ならぬ努力が必要です。

もともと第1希望として福祉を志す看護師は少なく、医療業界からこぼれた医療者の受け皿的な感覚の業界人が多いです。

その上、福祉業界に転職すると業務独占活少人数での仕事なので、志に対して権限が大きく、仕事上の駆け引きでお山の大将になりやすい位置づけだからです。

施設として安定した医療を提供するためには、上手に組織バランスを保つ必要があります。

 

 医療を必要とする老人ホームを探す人は何を見て医療の安定性をはかればよいのでしょうか。

ハッキリ言って、外部から一目でわかるこれがあるから大丈夫というような指標になるものはありません。

ただし、いくつかの参考になる内容を積み重ねて、信頼性の高い情報につなげることはできます。

 

①事業所の施設形態

 

②管理者の基礎資格

 

③加算状況

 

④医療の提供体制一覧表

 

⑤前年度の離職者数

 

番外:看護師の経歴、施設の運営体制、医療依存度の関係

 

上記をポイントに説明していきます。

 

 

①事業所の施設形態について

継続して医療を提供し続けることができるかにおいて、一番信頼性が高いのが事業所の施設形態です。

介護施設は施設形態によって看護師が必置になっている施設形態があります。

施設の人員基準として必要とされていますので、もし、看護師が必置の人員基準になっており、人員欠如状態で運営すると施設に行政からペナルティがくだされることがあります。

施設は人員欠如のペナルティを受けない為にも、一生懸命人員をそろえようとします。

施設の人員安定性という面ではこの必置要件はマイナスにはたらくこともあますが、医療を提供し続けるというかなり強い動機になります。

逆に看護師の必置要件がないにも関わらず、看護師をそろえているという事業所は、現時点での医療体制の確保は出来ているものの将来にわたって確保する義務は負っていません。

入居を希望する施設が看護師必置なのか調べましょう。インターネット検索で施設形態の名前【○○○○】と入力し、スペースであけ【看護師】スペースを開け【配置基準】と入力すると簡単に調べることができます。

希望する施設の形態がはっきり分からない場合は介護サービス情報公表システムで調べると間違いのない情報を検索することができます。

 

看護師が人員基準として必置になってる入所系施設は

例えば

老人保健施設特別養護老人ホーム(老人福祉施設)、特定施設入居者生活介護などです。

 

逆に看護師の人員基準が必置になっていないのは

グループホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などです。

 

入所時に看護師がいるから大丈夫だといわれれば、看護師の人員基準が必置になっていなくとも、事業者が努力して継続できる生活を提供することは期待できます。

しかし、万が一何かの都合で看護体制が維持できなくなったと言われても、看護師の必置基準がない施設は、何の行政ペナルティを負うことはありません。

看護師の必置基準がある方が、より安定した医療体制を提供できる可能性が高まるといえるでしょう。