老人ホーム選び ~ 医療行為 看護師⑤-2 ~

 医療依存度がある入居(入所)者を受け入れる場合、施設職員の医療提供安定性を考察する必要があります。

一度、医療依存がある入居(入所)者を受け入れた場合、大抵の施設ができる限り継続して医療を提供しようとします。

しかし、施設体制や医療職員の維持は施設が苦労するポイントでもありますので、将来に渡って医療を提供し続けることができるのか、施設体制を見ておく必要があります。

今回の章では、管理者(又は施設のオーナーに位置する役職者か管理者とオーナー両方)の資格が看護師であった場合、どの程度信頼がおけるのかを書いていきます。

以下、管理者の基礎資格における持続的な医療提供の信頼度看護師編です。

 

2位 看護師

 結論から書くと、かなり信頼性が高いといえます。

医療依存度がある方の継続した生活を維持する時、あるポイントに置いては、1位の医師をも凌駕する信頼性の高さがあります。

その信頼性とは、常に現場で苦い経験をする立ち位置にいるという点から発生します。

福祉における看護師の転職活動はセカンドキャリアとして捉えている方が多く、第2、第3番目の選択肢として入職している人が多いです。

忙しい喧噪から少し離れて病院から福祉を目指す、少しゆっくりしたいという心理で福祉へ転職したいという動機が垣間見える人が良くいます。

しかし、福祉の世界も本気で利用者様の為に日々過ごしていますし、求職者が満足するようなゆっくりさを手に入れる方はほとんどいません。

結局のところ、喧噪を離れてもまた違う戦いが待っているのが社会の常であり、価値を生み出す場所で金銭を受け取る限り葛藤はつきものです。

足るを知ることは自分の中にしかないのですが、転職するということは、ほとんどの場合充足の自己スパイラルから外れた状態です。

他の世界に飛び込んだとしても戦いの日々を繰り返します。

人間関係に苦しむこともあるでしょう。自分の手技にないこと解決しなければならず悪戦苦闘することもあるでしょう。ある職員と対立するかもしれません。ミスを犯し元に戻すことが不可能になり、さいなむこともあるのでしょう。

環境を変えても変わらない悩みはつきまといます。悩みの中で、自分の福祉に対する思い入れが浅かったことを振り返ることもできない程、今に集中して乗り越えたからこそそれまでの経験が社会的な意味をもつものになる事があるのです。

泥をすすり、前に進んだからこそ管理者として施設のバランスをとることができます。

そして、基礎資格が看護師であれば、医療の継続性について他基礎資格よりも現場の細部・悩みどころについて熟知しています。

これまで経験した苦労・失敗が管理者になった時花開くといっても過言ではありません。

理想を持っているだけではなく、辛さを体験している分現場感覚で果断な決断もできないといけません。

現場で辛酸を味わって管理者になった看護師ほど、安定した施設運営が見込めるでしょう。

 

 医療依存度のある方への安定性という面では、1位医師、2位看護師は他の基礎資格の管理者を圧倒する信頼性と考えて良いです。

3位社会福祉士、4位介護支援専門員と1位2位との差はもの凄く離れている離れているといっても良いでしょう。

あくまで、施設医療提供の安定継続性の観点から話をすすめていることをご了承ください。