老人ホーム選び ~ 医療行為⑥ 社会福祉士が管理者の場合の安定度 ~

 医療依存度がある入居(入所)をすすめる時、入居(入所)先の医療継続性の判断基準として、管理者(オーナー)の基礎資格が判断情報の一助になります。

医療継続性を担保しやすい基礎資格1位は医師、2位は看護師です。

この2資格は群を抜いて医療継続性のポイントが高いです。両資格者とも業務独占を行っている医療資格だからということが根本にあります。

医師にも看護師にも専門科はあるものの、経験した事のない専門科であっても、医療を提供し続けることができる調整力が資格に備わっていると見て良いです。

この2資格以外にも信頼性が高い資格があります。

 

3位 社会福祉士

 

 社会福祉士というのはどういう仕事なのでしょうか。一言でいえば関係調整特化業務です。

社会福祉士の仕事は多岐に渡ります。施設の相談員業務、病院での退院支援業務、行政での地域福祉業務、仕事のジャンルは様々です。

病院や施設での畑で育った社会福祉士は、医療継続性についてある程度高い能力を示すことができるといえるでしょう。

逆に、病院や施設以外の畑で育った社会福祉士には期待できません。

医師・看護師にもある程度当てはまることですが、まるっきり違う分野からいきなり管理者などになっても、ノウハウの蓄積がないのであてにならないということです。

福祉の分野ではたまに違う分野からいきなり管理者になるという人がたまにいます。

なぜかというと、団塊の世代後期高齢者になるまでに施設を沢山立てるよう、公費を潤沢につぎ込んで、急速に市場拡大させたからです。

急速な拡大で責任者不足になり、縁故や知り合いをポジションにつけるという施設が沢山生まれました。

その結果、施設経営・施設運営のノウハウは分からないが管理者になったという人が生まれました。

それでも、医師や看護師の有資格者が管理者になったという方が、管理者適性を考慮しなければまだましな話しです。

昨日まで福祉について何も考えていなかった主婦やサラリーマンが、突然福祉の世界で管理者になって職員の長となったというバブルな話しもたくさん存在しました。

ノウハウがない人間がいきなり福祉施設の長になったら、結果は言わずもがなです。

荒れた施設が山のようにでてきたのです。施設の箱だけ用意して、中身を整えようという政策を同時進行しなかった政策のつけが、利用者様や現場職員が支払う構図です。

このような経緯があり、畑違いの社会福祉士管理者が生まれてもおかしくない状態で福祉現場が成り立ちました。

 

 とはいえ、きちんと病院や施設で経験を積んで管理者になった社会福祉士が多いのも事実です。

なぜなら、社会福祉士を取得して、ステップアップから管理者になる人は、最初に社会福祉士取得時からすでに管理者になりたいと心のどこかで思っている人が多いからです。

そして、社会福祉士の仕事は病院内・施設内の関係調整が主な仕事です。言葉で書くと簡単にまとめれるのですが、これが相当鍛えられる仕事です。

 

 この内容の続きは次回まとめていきます。