老人ホーム選び ~ 医療行為⑧-4 介護支援専門員が管理者の場合の安定度 ~

 介護支援専門員が基礎資格の方のトラブルシューティング能力は、介護支援専門員になるまでのベース資格(経験)が何なのかに大きく左右されます。

また、介護支援専門員になったとしてもトラブルに関わらない立場をとり、立場としてトラブルシューティングの経験を積んでいない人も多数いるのが実情です。

人材不足から介護支援専門員の資格につられ、白羽の矢が立ち不相応に管理者になったというケースも多数存在します。

当然、実力と経験がない状態で管理者業務を開始すれば、実力と経験が追い付いてくるまで施設は大荒れになります。

その間に入居(入所)したり入居者(利用者)様・職員は、統制力・指導力が圧倒的に不足している内情で働かなければならないので、悲惨な実情を味わうことになるでしょう。

それでも、介護支援専門員そのものの仕事自体は、調整職の端くれですので、関係調整の苦労を体験している人も幾分かいます。

介護支援専門員になって何を望み、どんな仕事を成したかに大きく左右される資格といえます。

介護支援専門員の基礎資格を持っている管理者は、その意味で医療の継続的安定性を考えた時、資格から得られる信用度4位に位置づけています。

 

 それ以外の資格

医療の安定継続性という観点で、①医師 ②看護師 ③社会福祉士 ④介護支援専門員 以外の資格はまったく参考にならないといえます。

医師と看護師は医療職系と権限を持つ資格として信用度が若干高いです。社会福祉士と介護支援専門員は調整職としてのトラブルシューティング能力を期待し医師・看護師と大きく差が開くものの参考になる資格といえます。

他の資格は持っていたとしても、医療の安定継続性を担保しうる参考資格にはなりえません。

例えば、リハビリ系の資格。理学療法士作業療法士言語聴覚士・歯科衛生士・針きゅうあん摩師・柔道整復師などどれも入居(入所)者・患者と身体・精神的向上のために向き合い尊いのですが、マネジメント能力を特化して養う資格とはいえません。

職員トラブルや家族トラブル・設備トラブルがあったとしても助言者としては成り立ちますが、解決者の立場をとれる資格ではありません。

介護福祉士・介護職員初任者研修修了者・認知症ケア専門士なども現場系資格であってマネジメント能力に向かい合う資格ではありません。

その部門の主任級・課長級になるとマネジメントの苦労も多少はでてくるかもしれません。

組織・部下の多さによるのですが、それでも、最終責任を背負う立場でない以上、一目でわかる資格から判断できる要素としてはポイントが低いです。

なぜ、管理者の資格を判断要素にするかというと、福祉の世界にはバブル期がありまして、施設を増やすために管理者の資格要件を定めないという方針を行政が採用したからです。

 

 ここの資格についての歴史や資格である程度判断する必要はなぜかを次回寄稿致します。