老人ホーム選び ~ 老人保健施設⑪ ~

老人保健施設の人員基準

 

 支援相談員②

 

 支援相談員(以下相談員と表記)相談員の仕事は、誰の仕事か割り切れない仕事が振られやすいです。

施設の上位権限者は、他の仕事もこなすために、相談員に次々と自分の仕事を回すことが増えます。

支援相談員にグレーな仕事が入ってきやすい理由を知りたい方は、過去記事老人保健施設⑩をご参照ください。

 

 

theiaearth.hatenablog.com

 

相談員の活躍は、すなわち施設の上位権限者の仕事を処理する仕事であり、施設の浮沈を決するといっても過言ではないです。

相談員の実力は、いろいろな仕事が入ってくるという土壌の中で養われます。

人が足りない時は現場の仕事、職員の人間関係調整、入所者様やご家族様の悩み事相談、施設によっては建物のメンテナンス系の調整などとどんな仕事でも入ってくる可能性があります。

これらの仕事をこなすには、施設の方針・風土・上位権限者と意思疎通ができていなければなりません。

信頼に足る仕事をするには、信頼を得る方向性を知らなければなりません。

それらの仕事をこなすうちに、相談員の実力は養われるのです。実力をつけたいのであれば、若いうちに苦労しながら相談員の仕事を経験するのはお勧めです。

施設の上位権限者の代理執行者としての立ち位置を確保する実力があれば、グレーの仕事は相談員に話しを通すようになります。

トラブルがあれば相談員へ話しを持って行く流れができるまで、相談員の苦労は並大抵ではありません。

 

入所者様の入退所ひとつの仕事をとっても、施設の入所率(ベッド稼働率)を左右します。

病院や居宅介護支援事業所に営業を行い、入所の話しがきたら入所判定にかけるため情報収集を行います。

情報収集の最中にも入所させるかどうか周囲の担当者に根回しを行います。

入所となったら入所中スムーズに生活を送ってもらう為に家族や本人に調整を行います。契約を取り交わし入所中のトラブルを回避できるように説明します。入所の時から退所時の話しをご家族様に通しておきます。

入所につながらなかったとしても、紹介して下さった病院の相談員・居宅介護支援事業所の介護支援専門員との関係性を継続できるように話しを取り持たなければなりません。

入所に当たって準備物品や金銭的負担の相談を行います。

退所の際には、入所者様が次に生活できる先の確保を行います。本人や家族の中にはずっと老人保健施設に居たいという人もいますが、無理な事は無理だと言い一旦退所してもらわなければなりません。

入退所が他施設より多い老人保健施設の相談員は、他施設の相談員より大変な代わりに得られる経験値が高いといえます。

稼働率を上手にコントロールできれば、大きな実績となり更なる役職へステップアップできる芽がでてきます。

 

たったひとつの仕事についてだけでも、営業・入退所に関するかなりの調整力を必要とします。

ですが営業・入退所は相談員のしごとの中でも軽い仕事です。なぜなら、入所率(稼働率)という数字で結果が図れる側面が強いからです。

本当に実力が試されるのは、各種調整において相手が我慢可能な範囲をはかり、何人も相手がいる中で目的地に話しを落とせるか、これが相談員のスキルといっても良いでしょう。

正直、明確な成功もなければ失敗もない仕事内容で関係調整をこなしていくことがもっとも困難な事でしょう。

人間関係のトラブルに下手に首を突っ込めば、自分自身が火の粉を被ることも多々あります。

 

優秀な上司の元で働ける相談員は、介護関係の仕事全般を見ることができ施設系の中でもっとも高い経験値を得ることができるでしょう。

老人保健施設の相談員の力は、施設そのものの力といっても過言ではないくらい非常に重要です。

ベテラン相談員は施設の内部事情を熟知しています。いろいろな人たちにもまれ続けています。立ち位置として各関係者に配慮する必要がある為、ご家族様や本人様だけの完全な見方につけるのが難しい相手です。

しかし、入所希望者にとって相談員に誠心誠意の付き合いをしたいと示すことは決してデメリットにならないでしょう。

ベテラン相談員は、人の意見を聞く上で、相手の所作から相談者の真意や真贋を見分ける観察眼を職業柄養っている人が多いです。

入所希望者(入所家族)は、相手がベテラン相談員である場合自分の置かれている実情を誠心誠意伝えることに専念した方がよいです。