老人ホーム選び ~ 老人保健施設⑮ ~

老人保健施設

~病院併設の老人保健施設と単独の老人保健施設②~

 

 今回は単独で老人保健施設を設立開始した場合の施設特徴を寄稿致します。

単独型老人保健施設の前に、前回説明した病院併設型老人保健施設の特徴説明を簡単に振り返ります。

 

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病院併設型老人保健施設運営の特徴は、営業(施設が入所者促進のために行う努力)コストが大幅に低い。人員採用にかかるコストが低くなりやすいでした。

施設を運営する為の両輪といっても過言ではない2項目ですが、特に営業コストダウンの方の威力は絶大です。

病院が併設している老人保健施設は、他施設の経営と比べて運営しやすいといえるでしょう。

逆にいうと、老人保健施設を単独で設立すると営業努力と人員採用・マネジメントにかかるコストが、他施設と同じくらい必要といことになります。

病院併設型老人保健施設は、病院があるという大きな売りがありました。単独型老人保健施設には、病院があるという売りポイントはありません。

では、単独型老人保健施設は何を売りポイントにする(しやすい)のでしょうか。

 

キーワードは、【  リハビリ  】 と 【医療】 です。

 

リハビリ(リハビリテーション)は、老人保健施設と相性の良いコンテンツです。

老人保健施設のリハビリ職員の配置基準は、理学療法士1人または作業療法士1人以上です。リハビリ職員の最低確保人数は決して多い施設とはいえません。

なぜ単独型老人保健施設の売りポイント(特色)にしやすいかというと

 

①リハビリニーズが高い入所者が集まりやすい

②医師がいる

 

以上2点です。

老人保健施設の本来の役割のひとつに、在宅復帰を目指す施設という位置づけがあります。これは行政から定められた施設の存在意義であり、老人保健施設が受け取る介護報酬上の仕組みにも組み込まれています。

老人保健施設には、病院で治療を終了した患者様や自宅で一時的に生活する事が困難になった方などが入所します。

病院から退院する患者様には、入院による治療生活で身体を動かす機会が減り筋力が減退してしまっている方が多くいらっしゃいます。

退院後、すぐに元の生活に戻るのが困難だからこそ、施設探しを始められます。しかし、心の中には元の生活に戻りたいという気持ちはがくすぶっている方が当たり前です。

そのような患者様が治療の次に目指すのは、元の生活に戻る為に筋力(関節稼働域や柔軟性も含む)を取り戻したいという願いが起こるのはしごく当然の流れです。

もとの状態にもどるかどうかは、その方々の病状次第である部分も多分に含まれますが、少なくとも元の生活場所に戻りたいと願う方は多いです。

そんな方々が在宅復帰を目指すための位置づけになっている施設が老人保健施設です。

つまり、老人保健施設は在宅復帰の為の施設という位置づけ上、リハビリを目指す入所申込者が多く集まりやすいのです。

営業努力をするのであれば、この層を取り込める施設整備を行うとかなり強みになります。

この層を取り込む為にリハビリノウハウを施設に取り入れて、リハビリを特化させ元の生活に戻る具体的な努力ができることを特色にしやすい土壌があります。

入所してもらう為に、リハビリという商品開発を行いやすい土壌を既にもっているのが、老人保健施設の特徴です。

在宅復帰を位置付けられた施設という土壌は、他の福祉施設にはない土壌です。

営業を行う上では、入所者様候補のニーズがリハビリだとわかっているという状況です。

 

次回は、老人保健施設がリハビリを特化させようとして、実施していることをどうやって入所希望者(家族)が判断するか寄稿致します。リハビリにおける医師の説明は次々回予定です。