老人ホーム選び ~ 老人保健施設① ~

 老人保健施設

 

老人保健施設とはどのような特徴のある施設なのか寄稿致します。

 

・入所対象者は介護認定で要介護1~要介護5の方です。

・要支援の方は入所の入り口に立てません。

・入所中に要支援になったとしても強制退所させられることは法律上できません。

 

 

老人保健施設のイメージを簡潔に書くと

病院と在宅の中間にある、在宅復帰を助けるための施設です。

病院は治療をする場所です。治療が終わると退院を告げられます。

治療の完了とは、日常生活が戻れる状態になることと必ずしもイコールではありません。

 

例えば、骨折で入院したとしましょう。

手術で骨をくっつける治療方針にした場合、病院の仕事は手術をすること。次に手術のあとの傷口が安全に塞がれることです。

この時、筋力が落ちて歩けなくなった人を歩けるように戻すことを治療とするかどうかは意見が分かれるところです。

この方針の道筋を作るのは医師です。医師が筋力の回復は治療の一環ではないと考えれば、筋力回復のリハビリテーションは治療ではなくなります。

医師は自分の医療観・病院の方針・ベッドの状況・本人や家族の意見などを総合的に踏まえて判断します。

治療方針の結果、筋力回復は治療の一環ではないと判断し自宅へ返すとした場合、自宅でタヒなない程度の回復具合であれば、自宅へ返します。

患者を自宅へ返した結果、介護で家族が仕事を休まなくならないといけなくなるとしても、それは治療とは関係のない事です。

介護者がいないを理由に病院のベッドに居続ける患者のことを社会的入院といいます。

この場合家族が困ります。

これは一例ですが、こういった時に老人保健施設を利用します。

 

老人保健施設には、医師・看護師・リハビリ職員が必置です。専門的な見識をもった医療と介護が期待できます。

ただし、在宅復帰を大きな存在意義として設定された施設ですので、何年も長期的に居続ける事を目的としていません。

専門的な医療やリハビリが期待できるので、老人保健施設へは他の施設より多い介護報酬が収入として入ります。

他の施設より多い介護報酬を受け取れる大きな要因として、在宅へ復帰させた人が年間何人かによって介護報酬が高くなったり低くなったりする仕組みになっています。

老人保健施設にとって一番利益率が高い期間は3ヶ月です。3ヶ月という期間が一番介護報酬が高いです。

長くても1年以内に退所になる事がほとんどです。あまり長く入所が続くと入所者様が施設に根付いてしまいます。

たまに退所せずに2年くらいいらっしゃるという入所者様も聞いたことがありますが、稀です(長く居続ける方は入所者様それぞれ特有の理由があります)。

また、老人保健施設は医師がおり医療を提供する施設ですので、薬を処方できます。但し、法律上老人保健施設で処方する薬は全額(10割)老人保健施設が持つことになっています。入所者様の負担もありません。

このことから、あまりに薬の価格(薬価)が高い入所者様は老人保健施設から嫌煙される場合があります。薬の価格が高い入所者様ばかり集まると、施設の経営を圧迫しかねないからです。

次回も老人保健施設について書いて行きます。